なぜ人類は「赤」から名付けたのか?言葉の数が教える人類の認知と文明の意外な関係

ゆる言語学ラジオの第442回「世界中の色を調べたら、衝撃の事実が分かりました。」では、言語学における色の研究、特にバーリンとケイによる「基本の色彩語」という画期的な理論を中心に、人類がどのように色を認知し、言葉にしてきたのかが詳しく解説されています,。

以下に、そのエピソードの内容を主要なトピックごとに記事形式でまとめました。

世界中の「色」を調査して判明した衝撃の事実——言語から紐解く人類の認知と進化

私たちが当たり前のように使っている「赤」「青」「緑」といった色の名前。しかし、世界を見渡すと、色の語彙の数は言語によって驚くほど異なります。本エピソードでは、98の言語を調査して導き出された「色の派生法則」と、人類の認知の謎に迫ります。

1. 「白」と「黒」しかない言語がある?

驚くべきことに、世界には色の名前を「白」と「黒」の2つしか持たない言語が存在します。これは、その言語を話す人々が他の色を識別できないということではなく、語彙として独立していないことを意味します。研究によれば、古代の人々が色をどのように見ていたかという点も、現代の私たちの感覚とは大きく異なっていた可能性があります。

2. バーリン&ケイが導き出した「色彩語の派生法則」

1960年代に発表されたバーリンとケイの研究は、バラバラに見える色の語彙に一定の法則(普遍性)があることを明らかにしました。

第1段階: 白と黒(明暗)のみ。

第2段階: 次に現れるのは必ず「赤」。

第3段階: その後に「緑」または「黄」が加わる。 このように、色が言語に定着する順番には世界共通のルールがあり、デタラメに増えていくわけではありません。

3. 「基本の色彩語」の条件とは

ある言葉が「基本の色彩語」として認められるには、いくつかの厳しい条件があります。

• 「深紅」や「水色」のように他の色の下位区分ではないこと。

• 「ブロンド」のように特定の対象(髪など)に限定されないこと。

• 「サフラン色」のようにモノの名前から直接借りてきたものではないこと。 これらの条件をクリアする語彙こそが、その言語の根幹をなす色の概念となります。

4. なぜ色の語彙は増えるのか?

色の語彙が乏しい言語が「劣っている」わけではありません。語彙の数は、文化的な必要性や工学・テクノロジーの発展と密接に関係しています。 例えば、「紫」という言葉の語源は、その植物の根が染料の原料として使われたことに由来するという説が有力です。また、英語の blackblue、ラテン語の flavus(黄色)などが、実は同一の語源(印欧祖語)に遡る可能性があるという指摘もあり、色がどのように分化してきたかの複雑な歴史が垣間見えます。

5. 多様性と他者理解

色の捉え方は文化によって異なりますが、その根底には人類共通の認知的裏づけが存在します。 「なぜ怒りは赤で、憂鬱はブルーなのか」といったイメージの問題から、言語が違えば世界が違って見えるのかという哲学的な問いまで、色の研究は「他者が世界をどう見ているか」を理解するための大きなヒントを与えてくれます。

https://open.spotify.com/episode/2aMkAAT2WhHzGmTBSFiwlR?si=f50312af757841c6

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